大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査
大腸がんが急増中の現在、大切な事は手術が必要とならないように、大腸ポリープや大腸がんの発生の有無を定期的に内視鏡にてチェックをする事です。
大腸がんの芽である大腸ポリープ、または粘膜の浅い層に留まった状態の大腸がんであれば、手術せずに内視鏡切除のみで根治させる事が可能です。当院では、できるだけ苦痛のないように内視鏡検査を行い、大腸内視鏡検査がより広く一般に普及するよう努めております。
前処置について
検査に先立ち大腸内をきれいにするため、検査用の下剤を約2リットル飲んでいただきます。その後、5~8回程度排便していただき、便のカスがない状態になったところで検査となります。
検査について
大腸内視鏡検査は、肛門から一番奥の盲腸まで挿入し、戻ってくる際に観察を行います。内視鏡器具や技術の進歩により、従来の大腸内視鏡検査に比べて格段に検査は楽になってきております。もともと大腸の粘膜は痛みを感じることは無く、苦痛を感じるのは無理に内視鏡が押し込まれて腸が伸びてしまうことと、空気で腸がパンパンに膨れてしまうことが原因です。内視鏡を進めていく際になるべく空気を入れず、なるべく腸を伸ばさないように(軸保持短縮法)挿入することで苦痛の少ない内視鏡検査が可能になりました。大腸の長さは人それぞれで、患者さんの体調等によっても挿入の難しさは変わり、まったく痛みも感じずに検査を終える方もいれば、多少の圧迫感を感じる方もいらっしゃいますが、決して無理に痛みをこらえて頑張る検査ではないのでご安心ください。
炭酸ガス装置を導入しました。
内視鏡検査中に少しでも患者さんの負担を軽減するために導入した最先端の医療機器です。炭酸ガスは腸壁より容易に吸収される特徴があるため、検査による腹満感が緩和され、今まで以上に楽に検査が受けられるようになりました。
内視鏡治療について
内視鏡検査中に万一ポリープが見つかった際には、必要に応じて切除術を同時に施行致します。大腸ポリープ(腺腫)は大腸がんとの関連があり、ある程度の大きさになった場合切除が望まれます。当院でも日帰りの内視鏡的大腸ポリープ切除術を行っています。ただし、入院設備がありませんので、危険性などを考慮し一定の基準にあてはまるものだけを行わせていただいております。内視鏡的大腸ポリープ切除術はあくまで手術ですので100%安全なものではありません。危険性としては出血、穿孔(腸に穴があく)等の偶発症が考えられます。これまで大腸内視鏡検査を行い、2000例に近いポリープ切除を行っておりますが、穿孔の経験はありません。出血はごく稀に認められますが、切除後に予防的にクリッピングにより極力出血の可能性を減らすよう努めております。
万一入院での処置が必要なポリープ等が見つかった際には、非常勤医として内視鏡処置を行っている提携病院(北里研究所病院)での処置等、責任を持って対処致します。