胃痛でお困りの方
胃痛は、多くの方が経験する症状ですが、胃痛の中には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの疾患が原因となって起こるものから胃がんによって引き起こされるものもあります。繰り返し起こる胃痛や胃痛が続く場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。
胃痛の原因
- ピロリ菌の感染
- 食べ過ぎや飲み過ぎ、刺激の強い食べ物やアルコール、痛み止めの服用
- ストレスによる自律神経の乱れ
- 胃・十二指腸の知覚過敏
など
激しい胃痛の場合
冷や汗をかくほどの激しい胃痛がある場合は、胃アニサキス症が疑われます。胃アニサキス症とは、サバやカツオ、イカ、サンマなどの魚介類に寄生するアニサキスという寄生虫が胃に感染し、胃壁や腸壁に食いつくことで、急に激しい胃痛や吐き気を引き起こす疾患です。胃アニサキス症を発症した場合は胃カメラ検査を行って内視鏡によってアニサキスを摘出する治療を行います。またアニサキスを摘出すると、すぐに症状はなくなります。
胃痛の検査
胃痛の検査では、基本的には胃カメラ検査が推奨されています。胃痛を引き起こす疾患の中には重篤なものもあるため、疾患を見逃さないためにも、胃カメラ検査を受けるようにしましょう。一方、胃の痛みと判断していても、実は膵臓や胆のうなど周囲の臓器が原因であることもよくあり、腹部超音波検査を組み合わせて診断することもあります。
胃痛の治療
胃痛の治療方法は、胃痛の原因によって異なります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍によって引き起こされる胃痛の場合には、胃酸分泌抑制剤などを用いた薬物療法を行います。またピロリ菌の感染が影響して胃痛が起こっている場合は、ピロリ菌の除菌治療を行って症状の再発を防ぎます。なお、ピロリ菌の除菌治療は、胃カメラ検査で胃潰瘍・十二指腸潰瘍や慢性胃炎が発見された場合に保険適用となります(3回目以降は保険適用外)。
生活習慣・食生活の見直し
胃痛は食事やストレスなどの生活習慣が影響します。生活習慣を見直して、できるだけ胃に負担をかけないように生活することが重要です。
暴飲暴食や刺激物の摂取を控える
暴飲暴食は胃に負担をかけ、胃痛を引き起こすことがあります。食事は満腹ではなく腹八分目までに抑えておくようにしましょう。また、カフェインやアルコールは胃粘膜を刺激するためなるべく控えるようにしましょう。胃粘膜の保護には「牛乳」が有効です。牛乳に含まれるたんぱく質には胃酸による刺激から胃を守る効果があり、胃粘膜の保護につながります。
ストレスをためないようにする
ストレスは胃の負担になるため、ストレスはなるべくためないようにしましょう。十分な睡眠を取り、適度な運動をすることでストレスを発散することも重要です。
胃もたれでお困りの方
胃もたれとは、胃の消化機能が低下することで消化が不十分になり、胃の中に食べ物が残ることによって起こる不快感のことです。胃もたれは食べ過ぎなどによる一時的なものであればあまり問題はありませんが、胃もたれが繰り返し起こる場合や長期化している場合は、ピロリ菌感染や感染性胃腸炎、インフルエンザなどの疾患が疑われます。気になる症状がある場合は、病院を受診しましょう。胃の症状は原因をしっかりと診断し、適切な治療を行っていくことが重要です。
胃もたれの原因
ピロリ菌感染
ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌が作り出すウレアーゼという酵素によって胃の粘膜が傷つけられ、胃もたれが起こることがあります。気になる症状がある場合は当院までご相談ください。ピロリ菌感染の検査を行っています。
胃の機能の低下
加齢や運動不足などが原因となり、胃の機能が低下することで胃もたれが起こることがあります。
飲酒や刺激物の摂取・喫煙
飲酒や喫煙によって胃もたれが起こることがあります。習慣的に飲酒や喫煙をしている方は注意が必要です。また、唐辛子などの刺激物も胃もたれの原因となることがあります。
ストレス
過度なストレスによって自律神経が乱れると、胃の機能が低下し、胃もたれが起こることがあります。
胃もたれの治療
ピロリ菌に感染している場合
ピロリ菌の感染が判明した場合は、ピロリ菌の除菌治療を行います。ピロリ菌の除菌治療では1日2回、1週間にわたって2種類の除菌剤と胃酸の分泌を抑える薬を服用していただきます。
生活習慣・食生活の見直し
食べ過ぎや飲みすぎなどの生活習慣は胃もたれの原因となります。脂っこい食事や甘い食べ物、香辛料を頻繁に食べるのも胃もたれの原因となるため、頻度を減らすようにしましょう。また、運動は胃の機能を改善するのに効果があるため、無理のない範囲で運動を習慣化しましょう。